サービスエースを取れるサーブを出したい

☆☆ 練習への意識 ☆☆

 どんな練習でも同じですが、目的意識をしっかり持つことは練習効果を大きく左右します。 サーブ練習においては、それをすることによって何ができるようになりたいのかということをはじめに しっかりと自己認識しておきましょう。

☆☆ 問題意識別練習方法 ☆☆

 エースを狙うにはいくつか考え方があります。

  1. スピード・回転量・コントロール力で圧倒する
  2. 回転の判断を見誤らさせる
  3. 組み立て

 このうち、1.のみではレベルが高くなれば通用しません。また、3.は、1.2.がマスターできた うえでの話になります。実質的にある程度のレベルにならない限り、組み立てでエースを狙うという のは現実的ではありません。よってここでは3.については省略し、1.2.を中心に練習法を 紹介します。

1.回転量・コントロール力をあげる練習

 効率よく、サービスの回転量をあげていくには、回転量につながる要素をいくつかにわけ、個別 に練習することがいいように思います。具体的にはまず、ラケットの面の角度とスイングの方向に 注目します。

 下図をみてください。

上のものにくらべ下のものは、ラケットの角度とスイングの方向が一致する ことによって、ラケットの運動量のほとんどが回転にかわっていることがわかります。逆にいえば、 下のものは上に比べて何割かの力(30度分)が回転ではなくスピードのほうにいっているということができます。
 回転のよくかかったサービスを出せる人は、実はラケットのスイングが速かったり、手首が 手首が強かったりすることよりも、むしろこのラケットコントロールがうまい選手であることが 多いです。

 

 

やってみよう!

 カットサービスでも横回転でもいいのですが、なるべく中途半端な斜め下などではないほうが、 自分の狙いどおりにラケットが出ているのかどうかがわかってよいでしょう。
 まずはボールを使わず、ゆっくりとラケットを振ってみます。実際にサービスを出す時と違うのは、 手元をじっくりとみること。ラケットの進行方向と面とがぶれていないかどうか、しっかりチェック します。
 次に、普通に台についてサービスをだしてみましょう。スイングはまだゆっくりです。意外にうまく いかないものだと思います。でもじっくりと取り組んでください。ゆっくりできないものは速くはでき ないのです。目安として、カットサービスなら、相当にゆっくりにスイングしたとしても、台に平行に無駄なく スイングできれば、ネットを越えたボールは2〜3バウンド目でこちらに向かって戻ってきます。
 今度は徐々にスイングのスピードを上げていきましょう。スピードをあげると当然ラケットの面は 不安定になってきます。それをどこまで制御できるか、この精度を高めていくのがサーブ練習だと 肝に銘じてください。これにどれだけ時間を割けるかが、その人のサービス能力の根っこになります。 

 

 

2.トリッキーなサービスを身につける

 下回転だと思って突っついたら浮いてしまった。ロングサービスだと思ってラケットを出したら ネットにかかってしまった。卓球のサービスはテニスと異なり、前項よりはむしろこちら、「いかに わかりにくく出すか」ということが戦略上重要になってきます。
 この方法は実にさまざまな考え方がありますが、ここは僕の考え方を軸にのべていきます。まず 考えるべきは、「レシーバーは何をみて、サービスを判断しているか」ということです。これは 実はレシーバーの能力によって大きく異なります。

  1. ラケットとボールがあたる瞬間のラケット角度
  2. バウンド
  3. スピードと深さ
  4. サービスを出す選手の戦型を含めた全体的な雰囲気
  5. 試合の流れと、組み立て

 どうでしょうか。「え? そうなの?」というのもあるかも知れません。また、「俺はここで 判断している」という異論もありそうです。僕の経験上はこのへんで判断している奴が多いだろう ということです。また、選手のレベルによって重視されてくるものは違うでしょう。たとえば、 初心者はこのうちのどれも満足に見れていないでしょうし、試合で舞い上がってしまえば一番基本的 な1.あたりをまったく見落として、ボールがこっちにきてから慌てる、ということもある でしょうから。
 なんにせよ、これだけの材料でも、サービスを出すほうから見れば逆に付け込む材料になります。 サービスが下手な人は1.のみで相手を嵌めようという思考が多いように思います。これも悪いこと ではないし、非常に基本的なことだとは思うのですが、ほんとうにサービス巧者になりたければ2.や 3.の要素を踏まえた練習をしてもらいたいですし、試合になれば4.5.を意識において練習 してほしいのです。

やってみよう!

 カットサービスは短く、横回転・上回転は長いと相場が決まっています。また、人間の身体の 構造上、ネットに近くなればなるほど、ラケットの面は上向き、すなわちカットの面になるのが自然 です。とくにペンホルダーのバックサイドネット際はツッツキの面が出がちです。
 逆にいえば、今言ったことのすべて逆がエースを取りやすいサービスと言うことになります。
 

(長いカットサービス)

とりあえず、バッククロスに出しましょう。目標用にラバーを置いてもいいで すし、チョークで丸を書いてもいいです。直径15〜20cmくらいの丸の中に10球連続入るまで、 など、目標を決めてやってみましょう。コツとしては、ワンバウンド目を自分の身体の近くに落とす こと。チェックポイントは、よく切れている、ということと、スピードです。当然スピードがあって かつ切れている深いカットサービスというのが理想です。

(短い横・上サービス)

相手側コートのネット際1/3に落とすこと、台上で2バウンドさせること、 相手コートで高くバウンドしない(これはレベルによって自己判断)こと、の3つを判定基準に10球 連続ノーミスを目指す。

 

目次へ戻る
"lesson"のトップページに戻る