サーブレシーブの練習

 ここでは、卓球部の監督さん、キャプテンその他、練習を管理することになった人も含めて、どのように練習するかがやっかいな問題となるサーブ・レシーブ練習について私の経験から、いくつかの具体的な練習方法を紹介します。

☆☆ 練習への意識 ☆☆

 サーブ練習は基本的にひとりで行なうものです。ですが、「サーブ・レシーブ力の向上」ということを考えると、一人でうまくなってもしょうがありません。チーム全体の力が向上しないと、とくにレシーブ能力は向上しませんし、レシーブがうまい選手に囲まれていないとなかなかサービスの能力は向上しません。

☆☆ 1人のとき ☆☆

 集球ネットがあれば、それをたてて、そこへ向かい連続して同じサービスを出す練習をします(あたり前ですね)。

 100球くらいを目安に、自分の出した本数と、思い通りに出せたボールの数をなんとなくでいいですから、数えながら練習しましょう。成功率が80%を超えないようなサービスは試合では怖くて出せないものです。また、短く出すつもりのサービスなどは、こういったレシーバーのいない練習のときに、しっかりと自分の思った場所に出せているかをチェックしておきましょう。

 そのほか

 など、一人でやるサーブ練習には案外バリエーションがつけられます。練習環境が許せば、毎日1時間くらいは割いたほうがよい練習です。

☆☆ 2人のとき ☆☆

 一台に2人がついて練習するときは、次の3つをごっちゃにせず、きちんとお互いが了解した上で練習を行ないましょう。すなわち、

  1. Aのサービス練習を、Bが受けている
  2. Aのサービス練習を、Bが受け、同時にBのレシーブ練習をしている
  3. Bのレシーブ練習のために、Aがサービスを出している

 一見、合理的なのは2.ですが、実は必ずしもそうとは限りません。たとえばAとBの間に実力格差があると、当然実力者のほうの練習にはあまりよくありません。それぞれにメリットがあるので、使い分けてください。ひとつひとつ見てみます。

サービス練習

 受ける(レシーブ)人は、きちんとしたレシーブはとくに必要ありません。場合によれば手で受けて返球してもかまいません。受け役の役目は、「サービスを出した人の動き、および回転」をしっかりと見てあげることです。サーバーのほうが実力上位であっても、たとえば本人にはどうしてもわからないサービス時のくせなどを指摘してあげることで、一人で練習していたときとはまったく違った練習効果が期待できます。サービスを出す側も、レシーバーに「こういうところをチェックしてほしい」と伝えておくことが必要です。もちろん、ラケットできちんとレシーブしなければそのサービスの良し悪しを判定できないことも多いわけですから、その場合はきちんとレシーブします。ただし、その後のラリーは基本的には必要ないでしょう。つまり、レシーバーが返球したボールを、サーバーは手で受ければいいのです。

 具体的な練習としては、

  1. 5分交代
  2. 20球交代

 などが考えられます。この練習の目的はあくまで「他人からみた自分のサービスをチェックすること」です。あまり長時間やる必要はないと思いますが、定期的に行なうべきでしょう。「知らぬは本人ばかりなり」です。実力者ほど必要になる練習です。

レシーブ練習

 サーバーは、レシーブ練習する人の要求に応えたサービスを出す必要があります。三球目攻撃の練習などと同様、一定のコース・球種で練習することが効果的でしょう。これもラリーが目的ではありませんから、レシーバーが返球したボールをサーバーは手で取って、もう一度サービスを出せばよいと思います。

 サービス練習と違うのは、こちらは反復練習が有効であるということです。100〜200球、同じコース・球種で練習すれば、案外レシーブもうまくなれるものです。ただし、サービスの側にある程度サービス力がなければ練習になりませんから、ここでもチーム全体の能力向上が望まれるわけです。

サービス・レシーブ練習

 おそらく、「サービス練習」と言うと、このパターンが多いのではないでしょうか。だらだらしがちな練習です。しかし、次のようなポイントを押さえていけばこの練習も洗練したものになればなかなか有効です。

限定する

 あらゆる練習に言えることですが、「コース」「球種」などを限定して行なうことで練習はしまります。

例:A「下回転サービスを出した後の展開が課題」B「フォアサイドの長い下回転が課題」

 AがBのフォアサイドに長い下回転を出し、Bがドライブでレシーブ。その後全面で乱打。レシーブのコースは「(Aの)フォア」「バック」「ランダム」と段階を踏んで行なう。50〜100、もしくは10分間くらいは連続して行なう。

試合形式

 少し安易ですが、練習がしまります。

例1:A「サービス能力高い・レシーブ時の得点能力低い」

 サービスを常にBにして、試合を行なう。お互いの実力差にもよるが、たとえば50点先取というやり方もある。長くやると、「どのサービスが苦手か(有効か)」ということがはっきり見えてくる。

例2:

 サービスのコース・レシーブの方法(たとえば全部ドライブ、など)・コースを決めての試合。下回転をファア側に→ドライブでクロスへ、などを決めておく。

ポイント

 2人で行なう練習は次の多人数で行なう練習の基本になる考え方を含んでいます。いずれにしてもそれぞれの人が自分の課題と、その練習での自分の役割をはっきりと認識していることが大事です。

☆☆ 多人数で行なう練習 ☆☆

 一台に3〜5人つく練習環境も多いことでしょう。基本形は誰かが軸になり、1球交代でまわしていく方法です。この場合、その台についた全員が共有できる(それぞれに有効である)練習を探すことが難しいですね。いろいろなケースが考えられますが、汎用性が比較的広そうな例を紹介しておきます。

例1:Aサーバー、Bレシーバー、Cレシーバーに球を渡す、D〜E球拾い

 台の横にピン球を用意し、ラリーが終わったらCがAに渡す。5分〜10分で順にまわす。

 

 

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